京都市
続古寺巡礼その99 相国寺
11月20日、京都市の相国寺を訪問する。
足利義満が創建した寺で、その規模はおそらく古今最大ではないかと思われる。
敷地は約144万坪あり、そこには50あまりの塔頭があったと伝えられている。
現在でも境内に13の塔頭があり、山外塔頭には有名な鹿苑寺(金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)がある。
また創建当時は七重塔が建てられ、高さが109メートルもあったと言われていて、これは仏塔としては史上最も高い。
現存する江戸期以前の塔で最も高いものは東寺の五重塔で約55メートルなので、その2倍の高さがあったことになり、想像を絶する。
今の法堂は慶長10年(1605)に再建されたものであるが、法堂建築としては最古である。(写真1)
開山堂庭園は枯山水の石庭の背後に山水の築山があるという特殊な配置で、石庭は方形に切り取られたようになっていて、具象画の中に抽象画をはめ込んだようであるが、不思議と調和していて面白い。(写真2)
境内には禅宗寺院によく見られる切妻造り妻入りの庫裡(写真3)や、宣明(せんみょう)と言われる浴室(写真4)がある。
この浴室は慶長元年(1596)に再建され、平成14年に復元修理されたものであり、珍しい建物である。

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