prologue
百寺を越えて〜


父の死をきっかけに始めた古寺巡礼も100寺を超え、続編を始めることとした。
この間に母も亡くし、何だか空しくなってしまった心を、古寺を訪れることが少しだけ満たしてくれる。
世界遺産となるような古寺から、人々から忘れられ廃寺になったような古寺まで、それぞれの寺にはそれぞれの歴史があり、見どころがある。
日本建築の粋である歴史的な建造物、庭園、境内の静謐なたたずまい、四季折々の花や鳥の声、そして古寺のある古い町並みや里の風情、そこにはわが国の優しい美しさがある。
わずらわしい浮世を離れて、しばしの間、身も心もゆだねていたい。















目次へ