井原市
巨木探訪:〜美星町(3)
                    →この日の樹行は、矢掛町 (7) より、続く

ナギの木を後に車に戻り、100mほど先で左折して星田第二池の方に向かう。
ここからは美星町である。
この道を進んで行けば県407に出ることができる。
ところが池に沿った道を進んで行くと行き止まりになってしまった。
どうやら途中で道を間違えたようである。
途中に分かれ道はなかったはずだが…と引き返して来て気がついた。
途中にある休憩所、そこの裏手から山の方に上がって行く道があったのだ。
進路を変更して山の方に上って行き、無事に県407に合流。
ちなみにこの道は普通車でも十分通ることができる。
合流してから2kmほど進むと県166との変形十字路があるが、そのまま407を進む。
1km弱で右手の道に入ると、100mほどで右手道路際に立っているのが「長草のカゴノキ」である。
樹下は広くなっているのだが個人の所有地のようなので、道路反対側にある細い道の入り口に一時駐車。

話は逸れるが、現井原市の天然記念物(樹木)に関する紹介は甚だ不親切である。
公式HPに載せられている樹はどれも所在地が明確にされていない。
神社仏閣にあればそれを探せばよいのだが、このカゴノキのように目印がない樹は本当に探索に困る。
『井原市文化財ガイドマップ』という発行物を見ると5万分の1の白地図にポイントで表示されてはいるのだが、あまり詳細とは言えないものである。
まぁ、そう言いながらもカゴノキはこの付属の地図で見当をつけたわけだが…。
最終的にはYahoo地図の写真を拡大して樹影を確認した次第。
ちなみに『岡山の巨樹巨木名木』では所在地が美星町星田字尼ヶ城2513-1と記されているが、この地番で探すとまったく別の場所になるので注意されたい。

さて、件のカゴノキであるが、非常に均整の取れた形をしている。
幹周では県下第9位なのだが、幹と枝振りとのバランスが程良く、樹勢も盛んなようである。
樹下にはバス停があるので、井原市教育委員会も『バス停長草そば』くらいは表示してくれてもいいのではないか、と思う。

                カゴノキ
地図はこちらへ

ところで車を停めた時に、カゴノキの傍にある民家の横で畑仕事をしていたおじさん(カゴノキの所有者?)が振り向いた。
しかしおじさんはすぐに仕事を続けたので、私も気がつかなかったふりをしてカゴノキの方に行って写真を撮っていたのだが…
しばらくするとおじさんが鍬を肩に担いだまま家の門から出てきた。
目の前を横切るおじさんに「こんにちは」と声をかけたら、おじさんはちょっと会釈をしてまた畑に戻った。
このおじさんの行動はどう見てもおかしい。
畑仕事中に用事を思い出して裏口から家に入ったのならば、また裏口から出ればよいのである。
わざわざ門の方に回って出てきてすぐに畑に戻ったということは、私が家のそばで何をしているのかが気になったのであろう。
表に出てみると不審な男はカゴノキの写真を撮っているだけのようだ、怪しい輩ではあるまい、そう判断したのであろう。
それにしても樹行というのはこういう苦労がつきまとう。
やれやれ…。


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