芳井町(3)
巨木探訪:芳井町(3)
県297は山の中を等高線に沿って走る道である。
沿道に集落は無く、所々の分かれ道に集落への標識がある。
走っているうちに上手い具合に雨も止んできた。
4kmほど行ったところで右手の道沿いにある神社、ここに「片塚谷の宮の大スギ」がある。
樹下の説明板によると県下20位。
大スギはもちろん御神木であり、注連縄が張られている。
枝の一部は枯れているようであるが、その枯れ具合と苔生した幹とが相俟って、山水画のような雰囲気を醸し出している。
しかし見飽きない見事な主幹、ケチをつけるようであるが実は横方向に広がっている。
横手から見ると平べったい幹ということで…ネタをバラしちゃいけないか…。

                スギ
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神社の前には『谷の宮』のバス停がある。
何気に見ると運行会社は『北振バス』。
聞いたことのないバス会社なので帰って調べてみたが、これは井笠鉄道の子会社なのだとか。
ちなみに高梁市の山間でよく見る備北バス、こちらは下津井電鉄が出資している。
ふーん…。

谷の宮からさらに2kmほど北上すると芳井町種地区、明治郵便局や明治小学校のある県297で初めて集落らしい集落である。
JA岡山西明治店舗の先で右折。
そのまま進むと国313に通じる道である。
150mほど進むと左手に種八幡神社の石段がある。
ここにあるのが「種八幡神社の大スギ」。
石段を登り始めるとすぐに最上段の横にあるスギと樹下の高札が見える。
このスギは県下25位ということである。
真っ直ぐに伸びたスギであるが、かなり上方で枝分かれし、その枝もかなり太い。
枝の一部は伐採されている。
明治時代にはこのスギに鷺が巣を作り、近隣の田んぼに舞い降りていたそうな。(えらく昔の話だが。)

                スギ
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時刻も6時を回り、予定も無事修了。
そのまま県297を北上したが、あまりに道が狭いので途中の新しい広域農道(星の里街道)との交差点で右折。
国313を北上して往路と同じ道を帰った。
帰路、面白かったのは成羽川の靄。
往路の時に少し靄っていたので『へぇーっ、こういうこともあるんだな…』と思ったが、帰路では川面全体を靄が覆っている。
激しい所では道路の上にまで立ち込めている。
川に靄がかかるというのは幼少時の記憶では冬ではなかったか…?(注:私の記憶は旭川である)
さらにこの靄、成羽川が高梁川に合流すると消えてしまう。
地形による特異な現象なのであろう。
地元の人にとっては当たり前なのかもしれないが、ちょっと感動モノだった。

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