佐用町
巨木探訪:佐用郡佐用町(4)
国179に戻り、再度「三日月のムクノキの古木(弓の木)」を捜すことにした。
分かりづらいが案内板がある、という情報もあるし、せっかくここまで来ているのだ、探せばあるはず。
見当をつけた辺りで川の向こうに渡る橋は一つしかない。
その橋を渡ろうかと思ったが細い橋であり、渡ってからも車で進入できるとは限らない。
かといって国道沿いに車を停めておけるようなスペースはない。
道沿いの『三浦自動車』の敷地内に無断駐車しようかとも思ったが、すぐ隣が自宅のようなのでこれはマズい。
ふと見ると自動車屋の南側にかろうじて交通の妨げにならないくらいのスペースがあったので、ここに路駐。
歩いて橋を渡ろうとしたら…なーんだ、橋に案内板が取り付けられているではないかいな。
こりゃ車からは見えんわなぁ。

           橋に案内板

案内板に勇気づけられ橋を渡ったものの、そこから先はどう行ったらいいのか…
目の前には未舗装の道が1本あるだけである。
とりあえず道伝いに歩く。
橋に案内板があったからには、この先にも案内板があるはずである。
案内板がなければ、この道が「弓の木」に続いているということになる。
そう思って前方を見ると、山裾に見える樹、あれがどうもそうではないか?
さらに近づくと樹下に墓石が見える。
ということはこの道は墓参用の道であり、当然ながら墓地(=樹下)に続いていることになる。
案の定、これで正解であった。

「弓の木」は県指定で幹周6.7m、斜めに傾いて立っている。
説明板によると、元来2本のムクノキであったものが合着し、そのうち1本が明治末期に風で倒壊、現在の姿になったらしい。
主幹は空洞化しているが、樹勢は良さそうである。
「弓の木」の名前の由来は、後鳥羽上皇が承久の乱で隠岐に移る際、この樹に弓をかけて休んだと、いう伝説に由来するとのこと。
なお、この未舗装の道、墓参用だけあって普通車でも十分に入ることができる。
ただし墓地の手前に害獣防止柵があり、通常は閉められている(季節にもよる?)とのことである。(入れないわけではないらしい。)

           ムクノキ
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国179を2kmほど進み『市の上』の信号傍にあるコンビニで昼食を購入。
ここで夕立に遭う。
ついでに地図を確認すると、実はルートを間違えていたことに気付く。
『市の上』の一つ手前の『新橋西詰』から県154に入らねばならないのであった。
予定では県154から県53を通って宍粟市に入り国29を北上、のつもりであったのだが…
どちらにしても夕立が止むまでは距離を稼いでおくしかない。
予定を変更し、そのまま国179を2.5kmほど進み『太田井橋』から県53に入り北上することにした。
県53を直進すると、途中から県72になる。
その5kmほど先にある「瑠璃寺の大スギ(観音杉)」が次の探訪地である。

走っているうちに雨も上がってきた。
瑠璃寺に向かっていると、左手に『南光自然観察村』(キャンプ場らしい)があり、さらに県道から瑠璃寺参道に入ると左手に『佐用町昆虫館』がある。
おまけに瑠璃寺の奥には『船越山モンキーパーク』があるので、そこそこの賑わい。
捕虫網を持った親子連れの姿などもちらほらと見える。
寺の駐車場に着くと駐車料400円。
やや、これはしまった…が、仕方ないか。
しかしよく見ると、駐車料はモンキーパークの入口で入園料と一緒に支払うようである。
寺を訪れるだけならば無料ということで、当たり前と言えば当たり前であるが、寺だけに行くのか、モンキーパークに行くのか、誰か監視している様子もない。
杜撰な管理と言えば杜撰であるよなぁ。
ま、運良く滑り込むこともできたし、私にとってはラッキーである。

さて、スギはどこにあるのか?
ざっと歩いているうちに、本堂へ続く石段の途中にスギを発見した。
石段両脇には立派なスギが十数本立っているのだが、その中で最大のスギである。
町指定(説明板は旧南光町のままである)、幹周5.45m、樹高50m、真っ直ぐに伸びたオーソドックスなスギである。
瑠璃寺には他にも指定のトチノキやサワグルミがあるのだが、こちらはどこにあるのか分からなかった。
急ぐので次へ。

                スギ
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