吉備中央町方面
巨木探訪:吉備中央町(旧加茂川町)
5月6日、午後4時ごろより吉備中央町に向かった。

吉備中央町(旧加茂川町)を選んだ理由は、遅い時間なので比較的近い所、多少なりとも土地勘のある所、「奥谷の流れ柿」「平岡のコウヤマキ」の2本の樹が巨木としては珍しい種類であり、尚且つ所在地がだいたい把握できそうなこと、などである。

岡山から国道53号線を北上し、御津金川から484号線に入り、宇甘渓を抜ければ下加茂に着く。
ここの交差点を左折(国道429号線、岡山・倉敷方面)したら1kmも行かないうちに右手に「奥谷の流れ柿」「平岡のコウヤマキ」の案内板が目に入った。
交差点からあまりの近さにうっかり見落とすところだった。

案内板の指示通りに車を進めると200mも行くと道が二股に分かれる。
右が「流れ柿」、左が「コウヤマキ」である。
何のためらいもなく右に進むと150mくらいで小さな案内板が目に入った。
しかし道が細いのでそこで車を止めるわけにはいかない。
とりあえずさらに進むと30mくらいで道は行き止まりになっており、そこがやや広いので隅っこに車を置いた。
歩いて引き返し案内板の通りに田んぼの畦に入ると、そこに「奥谷の流れ柿」があった。
                 流れ柿 
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  樹は古色蒼然とした幹をしており年代を感じさせる。
盆栽をそのまま大きくしたような形である。
樹高はそんなにないが枝の広がりがすばらしい。
加茂川町指定天然記念物の解説板が立てられている。

ふと見ると解説板の横に『巨樹・老樹・名木等百三十選』という立杭が打ってある。
樹の幹周、樹高、樹齢が記され『平成14年岡山地方振興局』『樹樹のかがやき発刊記念』と書いてある。
ほほう、そういうものがあったのか…これは今後、何かの手がかりになるやもしれぬ…

柿の木の姿を堪能し、車に戻りUターン。
ちょっと狭いができないことはない。
そして「平岡のコウヤマキ」へと山道に入ったのだが…この山道が狭い。
途中は対向車と絶対すれ違えない幅である。
対向車が来ないことを祈りながら3kmほど進むと道が広くなった。
地図によると、もう少しである。

さらに進み、広い道から見当をつけておいた辺りで右折。
その先に3件ばかり民家があるのだが、その辺りか?
路傍に車を停め歩いてみたがそれらしき樹も案内板もない。
民家に入って道を尋ねる勇気もない。
ここまで来て無駄足に終るのか!?

焦りながら道をぐるっと巡ると出口側に案内板があった。
要は広い道をもう100mも進めばよかったのである。
何のこっちゃ!

ま、こういうことは知らない土地では致し方ないことである。

案内板に従い道から少し入るとコウヤマキに会えた。
この樹は途中から主幹が6本に分かれた不思議な形をしている。
こんな山奥にひっそりと立っている姿は孤高の隠者という感じである。
この樹も加茂川町指定天然記念物であり、ここにも130選の杭があった。
しかし訪れる人もあまりいないのであろう。
倒れたままの「加茂川町指定天然記念物」の杭が哀れであった。
                コウヤマキ
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さて、とりあえずこれで今日の目的は果たした。
あとは下山するだけである。
来た方向と反対側へと車を進めたのだが…しばらく進むと十字路になった。

一応標識は立っているのだが、どの方向に進んでいいのかわからない。
持参したyahoo地図は拡大しすぎて近隣の地名までは入っていないし、岡山県万能地図にはこんな山道は記されていない。
かといって来た道の細さを考えると引き返す気にもならない。
どの道を選んでも最終的に下ることには違いないのだろうが…

ええい、ままよ!
と、とりあえず右に折れてみた。
すると少し進むと「吉備高原希望学園 のびのび小学校」という子供の手書きの看板が目についた。

この学校の名前は聞いたことがある。
それがあるということは下から登ってくるわかりやすい道があるということである。
私にも希望が見えた。

そして道をどんどん下っていくと希望学園があり、さらに下っていくと降りた先は加茂市場だった。
すぐ横に加茂の総社宮がある。
偶然とはいえ、これはラッキーだった。

ここの宮の社叢は有名である。
立派なスギ、イチョウなどが何本もあり、もちろん天然記念物にも指定されている。
本日のシメにふさわしい場所である。
誰もいない境内をゆっくりと巡り、巨木を堪能した。
                加茂の総社宮
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短時間ではあったが初の遠征としては成功であろう。
と同時に新たなヒントや反省点を得た遠征でもあった。


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