真庭
巨木探訪:〜落合町(2)
暖かな2月最終の日曜日、落合町を探訪してきた。
先週、久世町を探訪した際に落合町北部は済ませたので、残りは一気に廻れるだろうという読みである。
落合町へは旧加茂川町から県66を通って山越えで行くことにした。
理由はその道筋にも見るべき樹があるからである。

いつものように県72で吉備高原都市まで行き、そこから国484で山を下り県31へ。
東進して加茂市場から県66に入り北上。
まずは加茂川町のはずれに近い杉谷地区。
ここの桜本家に町指定の「桜本のタラヨウ」がある。
桜本家は県道から右手に折れてすぐの家である。
ここは昨年の初夏に一度来ているのだが、その時は存在がよくわからなかった。
町の広報誌の文化財紹介コーナーには『桜本家の裏山』と書かれているし、民家を目の当たりにしただけで気が萎えた、ということもあって深追いはしなかったのだ。
今回は道筋でもあるし、とりあえず寄ってみようと思った次第。
そして…民家に近づくとタラヨウはすぐにわかった。
裏手というよりは民家の手前の位置の山の斜面に白い杭が見えている。
なんだ、これなら簡単に近づけるじゃないか…よく見れば民家へ入る私道の入り口には岡山130選の立杭もある。
桜本家に断るでもなく樹下に行き、まずは説明版を写真に撮ろうとしてデジカメのスイッチを入れたところ…
なんと『カードが入っていません』のメッセージが!!

そうだ、出していたんだよなぁ…
バッテリーの充電の方に気を取られ、カードを抜いていたことはすっかり忘れていた。
というか、これではどうしようもない。
かといって、ここまで来ておきながらすごすごと樹行を中止するわけにもいかない。
残る方法は道筋の立ち寄るべきところをスルーし、一刻も早く落合町に着いてSDカードをゲットすることである。
地図を見ると国313に合流して右折すればジュンテンドーがある。
ホームセンターならばカードを売っているであろうと思い、急いでジュンテンドーを目指し無事にカードをゲット。
しかしこれで当初予定した探訪の順序が大きく狂ってしまった。
本来ならば時計回りの方向で進む予定であったのだが、逆回りになってしまった。
ま、どちらでもよいことなのだが…

ということで、まずはジュンテンドーから500mほど東の「箸立天神のイブキヒバ」を訪ねることにした。
道路沿いの案内板に従って右折して真直ぐ行くと、右手に小ぢんまりとした社がある。
近くに駐車するようなスペースがないので迷ったが、神社の向かいは民家のカーポート、車は軽四だし、かわすことはできるので神社の前に駐車。
イブキヒバは拝殿の裏手にある。
その昔、菅原道真が使った箸をここに立てたものが成長して樹になった、と言い伝えられており、県天然記念物に指定されている。
樹齢は800年、樹勢が弱まっているのが心配されるが、何とか頑張ってほしいものである。
柔らかな日差しの中、境内の梅の花も香ってきて春の近さを感じた。

                クスノキ
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次は300mほど先の落合小学校。
どこで仕入れた情報だったか定かでなくなってしまったが、メモには『落合小学校のモミジ』と書いてある。
一応訪ねてみたが校庭にそれらしいモミジは無かった。
(注:後で調べたらこれは高梁市の落合小学校のことであった。)
しかし小学校の東側、神社らしき建物と高木が数本見えたのでついでに行ってみることに。
建物は垂水神社で、境内に入ると1本のムクノキに注連縄が張ってある。
幹周は3m足らずというところであろうか。
傍らに説明版があるので読んでみると『境内には2本の神木があり…云々』と書いてある。
はて、もう1本のムクノキは…?
と思って見回したところ、件のムクノキの奥にほとんど枯れたような、主幹の欠けた樹があることに気がついた。
幹周で見るとこちらの樹の方が太い。
もしかしてこの樹が御神木だったのだろうか?
それにしては根元にはゴミを焼いて始末した跡もあり、粗雑な扱いである。
少しだけではあるが新しい枝も出ているので、神木であろうとなかろうとこの扱いには腹立たしさを感じる。
何とか頑張ってほしいものである。

   クスノキ    クスノキ
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