真庭
巨木探訪:〜落合町(3)
ここからは山間部に向かう。
来た道を引き返し、先ほどのジュンテンドーのところで右折。
600mほど先の二股を左に進み道なりに山の方に上って行くと、正面に木山神社(里宮)が見える。
しかし目的地はここではない。
里宮手前の四辻を左折し1.5kmほど広い道を進むと、右手に木山寺への参道がある。
木山寺の隣には木山神社(奥宮)があり、そこにはウラジロガシの巨木があるという。
木山神社はこちらの奥宮が本来の社殿であるのだが、参詣の利便を考慮して山麓に里宮を勧請したとのこと。
しかし、ここにそれらしき樹はなかった。
せっかく上ってきたのに残念であった…のだが、なんとここでウグイスの声が! こんなに早い時期にウグイスの鳴き声を聞いたことがあっただろうか?
それも「ケキョ、ケキョ」ではなく、はっきりとした「ホー、ホケキョ」である。
ここ数日の陽気に誘われてのことであろうが、何だか得をしたような気分になった。

参道を下り、広い道に戻って300mほど先で左折。
くねくねした道を下って突き当たったところで右折。
100mほど進むと左手の山裾に大きな樹が見え、樹下には白い杭らしきものが…
この樹が「大谷のツクバネガシ」である。
所在地はピンポイントではわかっていなかったのだが、そこは直感。
路肩に車を停めて歩いて行くと、民家の隙間に樹下への細道がある。
かなり苔生した風格のある樹であるが、背景に溶け込んでしまっていまいちその大きさが感じられない点で損をしている。
ちなみにツクバネとは正月の羽根突きに使う羽根のこと。
葉の付き具合が似ていることからツクバネガシと呼ばれている。

                ツクバネガシ
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さて、ここからは本格的に山中行軍である。
ツクバネガシから北に500mほど進むと木山小学校日野上分校がある。
次の目的地の鹿地子に向かうには分校の手前で右折するか、分校の裏手で左折するかのどちらかである。
この2本の道は結局合流するのであるが、右手の道は広いがかなり迂回するルート、左手の道は直線的であるがかなり狭そうである。
どちらを選ぶか…迂回すると距離的には2倍になるので短絡する左手の道を選んだ。
しかし実際に登って行くとかなりの悪路である。
道の狭さもさることながら、急勾配でしかも舗装状態が極めて悪い。
いったいいつ舗装したのか、かろうじて『アスファルトだよなぁ…』と思える残滓が道にへばりついているという具合である。
ガードレールもなく、曲がり角にカーブミラーがあることだけが唯一車が通行できることを示している。
不安を抱えたまま突き進んで行くと、ようやく迂回ルートと合流。
地図を頼りに等高線に沿った山道を進む。
2kmほど進み民家のあるところを抜けた四辻を左折。
道標では『千里』と記されている方向である。
さらに道なりに1kmほど進むと今度は三叉路が。
地図によれば直進。
そして200mほど進んで民家がちらほらした所の乢を越えた時、左手の尾根の上に忽然と姿を現したのが「鹿地子のヒノキ」である。
左手の脇道に入り、民家の農機具倉庫であろう敷地の前に車を停めた。
こんもりとした丘の上に立つヒノキ。
丘全体が実はヒノキの根なのではなかろうか…と思わざるをえない。

                ヒノキ
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ヒノキを写真に収め山道を下る。
少々気分が悪い。
以前に加茂川町で味わった車酔いである。
県84に降り、あとは一気に国313まで下るのみ。
途中、右折すれば別所で「醍醐桜」に会えるのだが、今回はスルー。
県84を下りきって国313に合流したら左折。
次は県指定の「栗原の四本柳」である。
合流地点から1kmばかし東に進めばセブンイレブンがある。
そこの交差点を左折。
備中川に突き当たったところで左折すれば河川敷に四本柳がある。
製材所の横手に車を停めた。
いちばん東側の柳が最大の幹周なのだが、痛みが激しい。
樹医の治療跡も生々しく、これで大丈夫なのだろうか、と思ってしまう。
1988年刊行の『岡山の樹木』に載せられている写真と比べると、明らかに樹勢は衰えている。
落合小学校6年生の励ましの立て看板もあるが、なんとか頑張ってほしいものである。

           四本柳
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