新見市
巨木探訪:新見市(3)
『夏は遠くへ…』お、なかなか良いキャッチコピーだ。(笑)
ということで今回の探訪は大佐町。
地図を広げてみると大佐町は陸の孤島のようなところである。
いや、この表現は良くないか…。
とにかく一般道を通って大佐町に行くには、新見から県32、北房町から県58、勝山町から県32のいずれかを使うしかない。
要するに国道が走っていないのである。
中国道を使う手もあるが、基本的に高速道路は使わない方針であるし、たとえ使ったとしてもやはりそこそこの時間がかかる。
問題はどこから至るかということであるが、勝山町方面は最近行ったので面白くないし、北房町からは前回訪れた時に県58が一部全面通行止めであったはず。
ということで新見から県32を北上することにした。
新見までは県72→国484→国180という常道的なルートである。

「御鋒神社の古杉」と「方谷のエノキ」を横目で見ながら国180を北上して行く。
当初は寄り道せず一気に大佐町まで行くつもりであったが、新見市に入ったところで左手に『ようこそ済渡寺へ』という看板が目に入った。
済渡寺にはカヤの巨木があることは知っていたが、地図を見るとかなり山の中なので寄るつもりはなかったのだが…看板に釣られたわけではないが、ふと行ってみる気になってしまった。
済渡寺の手前には『猪風来美術館』という陶芸の美術館があるのだが、ここへの案内板が道往く先々に立ててあるので道に迷うことはない。
美術館から少し先で右側の道に入ると、後は自然に済渡寺まで辿り着くことができる。
しかしこの道程、結構遠い。
およそ3.5kmくらいはあるだろう。
時間を費やしすぎるかな、とちょっと後悔の念も湧いたが、とにかく済渡寺に到着。

済渡寺は793年に開山、811年に弘法大師が訪れ女人高野を創設した由緒ある寺である。
東の紀州高野山、西の高野木山寺(落合町)と併せて『日本三高野』と呼ばれているとのことである。
なぜに岡山県に二つも女人高野があるのか、大いに疑問であるが、それはさて置いても、この寺はなかなか面白い。
本殿の周囲には紫陽花園や花菖蒲園などの広大な庭があり、ちょっとした観光名所のようである。
本殿のすぐ前の楼門横には『良縁鐘 ふしぎなごえんをさずかるかね』と彫られた石柱があり、いったいどんな鐘なんだ、ふしぎなごえんとはどんな縁だ、と突っ込みを入れたくなる。

ま、それもさて置き、目的のカヤの樹は本殿手前左手の道端に立っている。
伝えによると弘法大師の数珠から生え育ったということである。
樹齢は450年……ん!?
これだと計算が合わないんじゃないか?と、思わず茶々を入れたくなるが止めておこう。(笑)
根元は完全に空洞化しており、ちょっと存続が危ぶまれる。

                カヤ

カヤの近くにもう1本「槙柏(はく)の木」という御神木があった。
樹種はビャクシンのようであるが、巨木ではないので資料には載っていない。
こちらは大師の杖から芽吹いた樹で樹齢約1000年ともいわれているが詳かでない、というあやふやな説明。
樹齢の割には痛みが少ないようである。

                はく
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来た道を戻ると、先ほどの分かれ道の角に法高神社がある。
ここには『森の神』さんのHPで「権現宮のスギ」として紹介されているスギがあるので寄ってみた。
紹介されていたのは参道の石段右手にある二幹のスギである。
幹周は4.7mということであるが、資料には載っていない。
石段を上って本殿の右手にも幹周4.5mのスギがある、とのことであったが、こちらは切株になってしまっていた。

                スギ
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