総社市
巨木探訪:総社市(10)
これで高間熊野神社周辺は終了。
高間キャンプ場の横を通って広い道を県309に戻る。
左手の槁地区に向かい「槁のエノキ」の遠景を一枚。

               イチョウ

ここからは県309を引き返す。
1.5kmほど下った所で左手の菅集落に続く道(県道よりも広い!)に入る。
1kmほど進み、二つ目の池と道路を挟んで反対側の高台にある民家に「菅のスダジイ」がある。
池の畔の空き地に車を停めて見上げると、確かに民家の庭の一隅に立派な樹が見えるのだが、どう見ても無断で近づくことは不可能。
写真だけ撮って次へ。

          イチョウ
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少し引き返して一つ目の池のところで左手の細い道に入る。
そのまま進めば延原地区の本村集落で、これまた前回探訪した『御前神社』のある集落である。
前回の探訪記では触れなかったが、実はこの集落には「マルシテンのイヌグス」という巨木があるのだ。
探訪記で触れなかったのは、発見できなかったからである。

資料のひとつである『岡山の巨樹』からの説明を引用する。
『明治42年に建てられた当時の富山村役場(現在は集会所となっている)の裏山にある。
タブノキの根元にはマルシテンが祀られており…』
マルシテンとは摩利支天のことであるが、それはさておき、地図で見ると集会所とは本村公会堂のことであろう。
地番から言っても、まず間違いない。

この地区で道路沿いに駐車できる場所はないので、御前神社に車を置いて100mほど歩くことにした。
60mほど歩いただろうか…何気に右手を見ると藪の中に何やら太い幹のような物が見える。
2〜3歩進みながら、うむ?今のは…?
踵を返してみると、藪の中に入れるように下草が刈られている。
その瞬間、すべてを理解した。
急いで藪の中に入ると、果たしてかな、眼前には3幹に分かれた巨木と小さな祠。
ああ、こんな所にあったのか…。

幹周5.2m、樹齢400年のタブノキ。
『岡山の巨樹』によると『村の人に話を聞くと、タブノキはカネにならない木だから残ったのだ、柔らかい木で薪にも炭にもならない馬鹿木だ、という答えが返ってきた。』
『マルシテンはよく祟る神だから、そのこともあって切られなかったのかもしれない、
ということである。』
どちらが本当なのか、私にとってそんなことはどうでもいい。
ただ、探し求めた巨木に遭えた嬉しさ…私が求めるものはそれだけである。

道を下って公会堂の正面に廻ってみた。
そこからはタブノキの樹冠しか見えない。
ははぁ、なるほどな。
前回の探訪の時には公会堂の正面からしか見なかったのだ。
「裏山」という記述を素直に信じて、見ればわかるだろう、と思っていたのだろう。
眼前には藪しかないし、これでは発見できるわけがない。
今回も直感が有効な武器になったということにしておこう。

               イチョウ
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今回も帰宅は日暮れ時。
短いけれども、なかなか収穫のあった一日であった。
総社市もとりあえずこれで一段落である。

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