宍粟市Complete(1)
巨木探訪:宍粟市Complete(1)
5月5日、またしても兵庫県である。
本日の予定は宍粟市、昨年の宿題も含めて一気に片付けるつもりである。
気合を入れて9時には出発した。
今回は時間を節約しなければ廻りきれないので、さすがに高速を使用。
龍野ICで下りて国179を北に向かう。
一昨日と同じルートで新宮町に至るが、新宮三叉路からは県26へと進み宍粟市へ入る。
快調に走っていたが、山崎町山崎ICの手前でなぜか渋滞。
うーむ、これはどうしたことだ・・・。
連休の好日、インターで下りる車が多いのは有り得ることだが、それにしても一体何があるのだ?

答えは『藤祭り』であった。
インターから1km弱先の県429に入ると、突き当りに「大歳神社の千年フジ(県天然記念物)」があるのだ。
千年フジ・・・幹周が3.8mもあるフジで興味がないこともないが、今回の探訪からは外していた。
もっとも、こんな人出の中でうろうろしたくはない。
樹そのものを見るならば、花の季節を外して訪れたいものだ。

幸いにして最初の探訪地は、中国道の高架を過ぎてすぐ先の県53に左折する。(後で県429にも入らねばならないのだが・・・。)
まずは「高下東諏訪神社の大スギ」である。
東諏訪神社は県53に入って4kmくらいの地点にあるのだが、場所を特定するのに苦労した。
神社の地番は検索でわかったが、実際には道路地図にもマピオンやヤフーの地図にも記されていない。
スギのことを記したサイトや神社のことを記したサイトは幾つかあったが、行き方までは書いていない。
そんな状況の中、いろいろ調べていて、神社への行き方まで書かれているブログを発見した時には小躍りした。

「高下東諏訪神社の大スギ」
高下公民館の駐車場に車を停める。
公民館のすぐ西側に史跡『山崎本多藩大庄屋庄氏屋敷』があり、県道に面した長い塀に沿って歩くと、塀が途切れた所に大スギへの案内標柱がある。
山の方に向かう道を歩くと害獣対策のフェンスがあるが、親切なことにアルミ製のドアが取り付けられている。
ドアを開けて進むと神社はすぐである。
スギは社殿の左手前方に立っており、市天然記念物、樹齢300年以上、幹周5.5m。
小さな境内は深閑としており、朝の木漏れ日の中で見るスギは清々しい。
根回りは苔むして力強く、根の一部が社殿の方に伸びている。
フィトンチッドがいっぱい、という感じだった。

 庄氏屋敷 案内標柱
           害獣対策のフェンス

   スギ   スギ
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県53を引き返して来ると、国29の手前1kmあたりの左手に山崎八幡神社がある。
ここには県天然記念物の「山崎八幡神社のモッコク」がある。
巨木ではないが、せっかくの通り道なので寄ってみることにした。
駐車場は神社手前右手の『グループホームやまなか』か『山中医院』の駐車場を使え、とのこと。

「山崎八幡神社のモッコク」
県天然記念物、樹齢500年以上、幹周2m。
モッコクという樹種からして、当然であるが巨木には成り難い。
この樹は地上3mあたりから8本の支幹が分かれ、全体として半球形の樹冠を呈している。
というのは説明板に書かれていることであるが、8本の支幹の様相がタコの八本足を連想させて面白い。
何よりも、古さを感じさせない幹の瑞々しさは驚嘆に価する。

 モッコク モッコク
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国29に戻り、少し先の県429に(否応なしに)入る。
道の両脇には幟が立てられ、藤祭りの観光客で賑わっている。
ああ、鬱陶しい・・・おまけに祭の駐車場がセンターラインのない狭い県道沿いにあるため、前が進まないと追い抜くこともできない。
正直、この状況を実行委員会とか市役所はもうちょっと考えたら如何か?
ま、愚痴をこぼしてもしょうがない。
待つことしばし、ようやく駐車場の入口を過ぎて先に進むことができた。

車のアクセルを踏み込むと、1kmほどで巌石神社に着く。
路傍には『巖石神社と夫婦ヒノキ 推定250年生』の案内標柱が。
実はこのヒノキと次の「岩渕神社のクスノキ」は、なぜかどこの巨木サイトでも紹介されていない。
この2箇所も上述のブログで発見した。
「巖石神社の夫婦ヒノキ」
樹齢250年、幹周目測5m級。
神社の石段を登って行くと、社殿の背後に御神体の磐座、左手に夫婦ヒノキ、右手にはスギの巨木がある。
ヒノキは夫婦というだけあって途中から2幹に分かれているのだが、特筆すべきは樹肌の白さである。
非常にすべすべしており、このような樹肌のヒノキは他では「粟倉神社の大ヒノキ」しか知らない。
根回りもしっかりしており、樹高も相当なものである。
社殿右手のスギも幹周目測5m近くはありそうで、ヒノキと対をなして空に向かって聳えている。
1ヶ所で2本の巨木と磐座を拝むことができて、大変お得な気分になれる場所である。

           案内標柱

   磐座    ヒノキ

   ヒノキ    スギ
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