鏡野町
巨木探訪:鏡野町(5)
車に戻り何気に発電所に目を遣る。
発電所といっても木造の建物が一棟あるだけ…ダムがあるわけでもなし…
と思いながらふと左手の山を見ると、おお、これは!
高い位置から太い鉄のパイプが伸びているではないかいな!
虚を突かれてしまったが、これはなかなかの眺めである。
あらためて傍らに立っている説明版を読んだ。
ここより香々美川上流の岩屋地区から取水、山中を導水して約80mの落差で発電しているとのこと。
年間供給電力量は一般家庭1600戸分、建物の外観も周囲の景観にマッチするように配慮されている、とのことであった。

                カツラ

川沿いに上流へと進む。
2kmほど行くと取水口のある岩屋地区である。
集落に入って道路右手の奥に岩屋神社があるのだが、この神社の裏山に「岩屋のカツラ」という巨木があるのだ。
神社参道の道路向い側が広いスペースになっているのでそこに駐車。
参道入口には「岩屋のカツラ」についての説明板が立っている。
それによるとカツラは樹齢700年、幹周はなんと15m、いやが上にも期待が高まる。
平坦な参道を歩き、山裾の一段高い位置にある神社の拝殿へ。
境内は狭く拝殿の右手に石段が見える。
これを登ればカツラに会えるのだろう、と登ったが、石段はたった10段ほどで、その先には道は無い。
急斜面の上を見れば、おお、確かにそこにカツラの姿が垣間見えている!
しかし斜面はガレ場で、気をつけないと滑落しそうである。
距離にすればたった10mくらいであろうが、角度は約45度、一歩ずつ慎重に…。 少しずつカツラの姿がはっきりしてきた。
主幹は欠損しているのだが、その欠損部が大きな穴となり、まるで巨人が手を広げて天に向かって咆哮しているように見える。
何とも言えぬこの迫力!
周囲はただの杉林、カツラはそこに唐突に湧いて出たように存在していた。
滑落しないように杉に背をもたせかけ、角度を変えながら写真を撮る。
裏側にも回ってみたかったがあまりにも足元が悪く、さすがにこれはあきらめた。
なおこの辺り一帯は『岩屋の森』として県郷土記念物に指定されている。
少し向こうにはサルナシの蔓の絡まったケヤキも見えた。

   カツラ    ケヤキ
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これで巨木街道は終了である。
ここからは3kmほど北上し、越畑から右折して加茂町に抜けることになる。
進んで行くと道路脇にはちらほらと残雪も見られる。
途中、右手には香々美ダムがあり、車を停めて景観を愛でたいところだがそうも言っていられない。
車窓からダムを横目で見ながら越畑ふるさと村に到着。
自販機でお茶を買ってちょっと一服。
          { → 加茂(1)へ続く}

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