矢掛町
続古寺巡礼その12 大通寺
矢掛町での本日最後の訪問は大通寺。
この寺の開基は奈良時代の天平年間と言われている。
秘仏としてこの寺にまつられている不空羂索観音に康和元年(1099)の銘文があることから、平安時代には間違いなく存在していたと思われる。
現在の諸堂宇は江戸後期のものである。
まず山門の楼門は3間3戸で、これはちょっと珍しい。(写真1)
通常3間の楼門は左右の1間に仁王を置いて仁王門とし、3間1戸とするのが普通である。
本堂もちょっと変わった建物で、私にはこの構造が入母屋なのか寄棟なのかよくわからない。(写真2)
さて、この寺の見どころは庭園である。(写真3)(写真4)
石を多く配置した池泉観賞式庭園で、石寿園と呼ばれている。
築山や実際に水のある池で自然の山水を表現した庭園を池泉庭園と言い、その中で書院等の室内から鑑賞するものを池泉観賞式庭園と言う。
秋の紅葉が素晴らしいそうだが、藪椿がひっそりと咲いているなど早春の風情もなかなかよい。
このようなよい庭を見ていると、浮世とは違う時の流れにとてもゆったりとした気持ちになる。

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