観音寺市
続古寺巡礼その15 観音寺
次にまた、寺の名が市名になっている観音寺。
ただし、寺の名前はかんのんじ、市の名前はかんおんじと読む。
現在の寺は立派な寺ではあるものの、市名となるほどの大寺でもない。
しかし、その歴史は由緒あるもので、寺伝によれば開基は大宝年間で奈良時代が始まる少し前、その約100年後に空海が第7世住職となっているそうだ。
この歴史を考えると、この寺とともに古くから栄えてきた町として観音寺市の名はふさわしいと言える。 本堂は室町時代の部材を使い江戸時代前期に建てられたもので、国重文。(写真1)
様式的にも室町時代の建築を踏襲していると思われ、簡素で美しい建物である。
屋根に微妙な反りがあるのも良い。
この寺にも善通寺と同じように大きな楠の木がある。(写真2)
鐘楼は見事な彫刻が施されている。(写真3)
時代的にはそれほど古くはないと思われるが、一見の価値がある。
他には大師堂など。(写真4)
ちなみに、同じ境内に四国八十八か所の第六十八番札所の神恵院があるが(観音寺は第六十九番札所)、本堂がコンクリート打ちっぱなしの味気ない外観で、お参りをする気にならなかった。


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