奈良県宇陀市
続古寺巡礼その22 室生寺
5月1日、ゴールデンウィークに奈良を訪れた。
この時期、観光地は人が多くて嫌なのだが、奈良の室生寺の石楠花と長谷寺の牡丹がちょうど咲く時期なので、行ってみようと思った。
中学生の頃に室生寺の五重塔のジグソーパズルを作り、長い間私の部屋に飾っていた。
美しい塔に石楠花の花がよく似合っていて、いつか本物を見たいと思っていた。
やはり石楠花の季節に行きたいなどと思っていると、なかなか機会がなく、ようやく訪れることができた。
山門を入るといたるところに石楠花が満開で、金堂に向かう鎧坂という名の石段の両脇も石楠花でいっぱいである。(写真1)
金堂はもともとは平安前期の建築で、後に改築されているとのことであるが、懸造りの美しい建物で、国宝である。(写真2)
さて五重塔であるが、たいへん小振りで、1998年に台風で倒れた杉が直撃して大被害を受け、修理をしてからそれほど時がたっていないためか何だか新しい感じがする。
実際は800年頃の建築で、屋外にある五重塔としては法隆寺に次ぐ古さである。
高さは約16メートルで、これも屋外にある五重塔としては最も小さい。
ちなみに最も高い教王護国寺(東寺)の五重塔が約55メートルで、一般的には大体30メートルほどの高さであるから、いかに小さいかがわかる。
しかし、塔高きが故に貴からず、この塔の典雅な美しさは格別のものである。(写真3)(写真4)
石楠花も本当に見ごろで美しく、この時期に来てよかった。


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