岡山市
続古寺巡礼その33 無量寿院
6月27日、家の近くの2つの寺を訪問する。
まずは無量寿院で、ここは歩いても行けるところにあり、何度か訪問している。
この寺は西大寺観音院の会陽の宝木を授受する寺として有名である。
宝木取りと呼ばれるこの行事は、一対の宝木を作るための素材を、深夜観音院からこの寺へ数名の使者が歩いて受取りに行くものである。
道中は一言も発してはならないとされている。
この種の行事は神事だと思うのだが、そのようなことを思うのは神仏分離に頭が慣らされているからで、神仏習合の頃からの伝統ある行事と思えば何と言うこともない。
この寺の創建は奈良時代と言われており、報恩大師が整備した備前48か寺のひとつに上げられている。
山門の仁王門(写真1)から本堂に至るまでの間には美しい石垣が多く残っていて、往事には多くの坊があったと思われる跡がある。(写真2)
現在では唯一西方寺が残っている。(写真3)
本堂は江戸時代後期に改築されているが、もともとは14世紀頃のものらしく、その部材を多く使用しているとのことである。(写真4)
外陣を大きく取った建物で、市の重文となっている。
ただ現状少し傷みが目立つので、そろそろ修理が必要であろう。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ