岡山市
続古寺巡礼その34 宝琳寺
2つめの寺は西大寺金岡にある宝琳寺。
この寺は812年、弘法大師の開基と伝えられている。
隣には裳掛天満宮があり、ここは菅原道真が大宰府に配流された際に途中暴風雨に遭い、ここにあったお堂に難を逃れたことから、道真を天満天神として祭ったものである。
このとき、濡れた衣を枝に掛けて乾かしたという裳掛の松があった。
この寺と天満宮は一体のものであったが、江戸時代に神仏分離され、寺の一部が鎮守である天満宮として分けられた。
この寺はまず鐘楼門がなかなか立派である。(写真1)
山門が楼門である寺は、それだけで来てよかったと思う。
ただ、この一間一戸の楼門というのはどうも強度的に心配で、特にこの門は一間の幅がわりと広いことと(2階部分は三間となっている。)、入母屋の屋根が重厚なので余計に不安な感じがする。
最近は地震のことをつい心配するが、地震の少ない地域ならではの構造だろう。
境内に入ると客殿(写真2)と本堂(写真3)がある。
この本堂は小振りで質素なものだが、この奥の方にかなり巨大な本堂の新築工事をしている。(写真4)
この新しい本堂は1階が半地下でRC造りとなっており、その上に木造の本堂が乗っているという少し変わった形である。
土地に高低差があるため、山門から入ればちょうど本堂が平面となるようだ。

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