倉敷市
続古寺巡礼その36 吉備寺
次は本日の目的地の吉備寺を訪問。
この寺は奈良時代の右大臣吉備真備の一族である吉備氏の氏寺であった。
また、この地には吉備寺の前身である箭田廃寺(やたはいじ)と呼ばれる飛鳥時代と推定される寺院があったらしい。
この箭田廃寺からは、7世紀後半と見られる、蓮華をモチーフにしたこのあたりに独特の壮麗な鬼瓦が出土している。
この瓦から推測して、飛鳥時代にこのような地方に相当華麗な寺が在ったと思われ、いち早く中央の文化を取り入れた吉備氏の進歩的な考えが伺える。
ちなみに、吉備真備は地方豪族、学者の出身ながら右大臣まで異例の出世をした人で、多くの伝説に彩られている。
現在の寺は江戸時代の建物が中心であり、飛鳥奈良時代を偲ぶことは難しいが、緑が多く落ち着いた雰囲気の境内には、楼門の山門(写真1)、本堂(写真2)、庫裡(写真3)、客殿などがある。
また寺の傍の丘の上には吉備真備の墓と言われる石塔(写真4)があり、江戸時代に作られた吉備公墓碑がある。

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