高知県四万十町
続古寺巡礼その46 岩本寺
8月9日、足摺岬からの帰り道に岩本寺があるので訪問する。 この寺は、昨日訪問した金剛福寺のひとつ前の37番札所であり、なるほどこの間の距離は車で走ってもかなり遠い。
ここは、奈良時代に聖武天皇の勅願によって行基が開基したと言われている。
その後幾度かの盛衰があり、近いところでは明治の初めに廃仏毀釈により廃寺となったが、明治22年に再興された。
そのためこの寺も新しい堂宇が多い。
その中で唯一大師堂だけが江戸時代の建築である。(写真1)
仁王門は八脚門でなかなか立派なものである。(写真2)
本堂は昭和53年の建築で、向拝の屋根に千鳥破風が乗っている。(写真3)
ここで破風について簡単に説明しておこう。
わが国の木造建築様式は大きく入母屋造り、寄棟造り、切妻造りに分けることができるが、入母屋造り、切妻造りにおける妻側(屋根の棟に対して垂直な辺、主に短辺側)の3角形の部分を破風と言い、それぞれ入母屋破風、切妻破風と言う。
寄棟造には構造上破風はない。
千鳥破風はこのような構造上の破風とは違い、主に装飾を目的として屋根の一部に入母屋破風様のものを乗せたものであり、城郭建築で多く見られる。
他に平成8年建築の聖天堂がある。(写真4)
勧喜天を祀ったものだが、宝塔以外で円形のお堂は珍しい。
きのこの家という感じだ。

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