新見市
続古寺巡礼その53 三尾寺
11月7日、紅葉を見ようと思い、新見市の三尾寺に行ってみる。
この寺は奈良時代に行基が開基し、平安時代には空海が滞留したと伝えられる古刹で、往時には12坊がたちならび、真言密教の道場として栄えていたが、戦国時代に兵火に焼かれ、伽藍はことごとく焼失した。
その後、永禄2年(1559)に、現在の真庭市にあった砦部丸山城主の庄勝資によって本堂が再建され、これを契機に寺院が復興された。
まず、寺の参道は相当の樹齢と思われる杉の大木の並木があり、とても良い雰囲気である。(写真1)
境内は思ったとおり紅葉が美しく、そこに古色蒼然とした茅葺きの本堂がある。(写真2)(写真3)
庄勝資によって再建されたと言う室町末期の建物で、県の重文となっている。
(寺にあった説明板には、様式から見ると17世紀中頃の再建と考えられると書いてある。しかし、巖津政右衛門の「岡山の建築」には蟇股の姿や大面取の柱は室町末期という時代を証明するとある。専門的なことはよくわからないが、江戸というより室町と言われた方が納得する建物である。)
本堂の横には大師堂があり、こちらは新しそうな建物である。(写真4)
ここは、境内のたたずまいと本堂の姿がとても調和していて、これぞ山寺という感じであった。

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