鎌倉市
続古寺巡礼その58 高徳院
次に今回の目的の鎌倉の大仏。(写真1)(写真2)(写真3) 与謝野晶子に美男と詠われた大仏で、美男には何の興味もないけれど、大仏は見たい。
一応晶子の歌を書いておこう。
「鎌倉や御仏(みほとけ)なれど釈迦牟尼は美男におわす夏木立かな」
写真で見る限りはさして美男にも見えず、晶子が歌を作るときの雰囲気で美男と詠んだのだろうと思っていたが、実際に見てみると本当にいい顔をしている。
最初に目にしたときは、かなり遠くから見たが、この遠目で見たときの印象がなかなかいい。
女性が美人に見える例えで夜目遠目傘の内という言葉があって、はっきりと見えない方が想像をかきたててよいのだろうが、大仏はこれと違って近くで見ると大きすぎるので、遠くから見てちょうどいい。
鎌倉大仏も奈良大仏と同じように最初は大仏殿に納まっていたようだが、この大仏殿が倒壊した後は露座となった。
大仏を見るということでは、この方が断然よい。
この寺はほとんど大仏だけの寺であるが、その他に観月堂という観音堂がある。(写真4)
ずいぶん風変わりな建物だと思ったら、これは韓国の王宮であるソウルの景福宮にあったものらしい。
略奪したものではないが、ここに移築された経緯はちょっと怪しいところがある。
この建物については韓国に戻ることが決まったようで、本来の場所に帰ることになって本当に良かったと思う。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ