倉敷市
続古寺巡礼その62 宝島寺
2月19日倉敷市連島の宝島寺を訪問。
ここは以前から寺名が気になっていた。
「ほうとうじ」と読み、トレジャーアイランドとは全く関係がないが、なかなか興味深い伝説がある。
ここは地名を矢柄と言い、那須与一が扇の的を射た矢の柄が流れ着いたことが由来とされる。
宝島寺の山号は矢上山で、この山号と寺号は流れ着いた矢柄を寺宝としたことによると言う説もある。
扇の的の話自体史実とは思えないが、地名と寺名が整合していて面白い。
開基は貞観元年(859年)と伝えられ、室町時代中期の建立と推定される切妻造り三間一戸の仁王門がある。(写真1)
倉敷市の指定文化財で、ほとんど装飾のない簡素な造りで素朴な魅力を感じる。
仁王門から寺の周囲を回るようにして少し小高いところある本堂を参る。
途中長屋門があり(写真2)、門の中には唐破風玄関のある客殿らしき建物があった。(写真3)
寺院に長屋門はちょっと珍しい。
本堂は入母屋造りで、前方に長く張り出していて向拝が付いている。(写真4)
ここの石段に文化12年の年号が刻まれているので、江戸時代後期の建物と思われる。

前へ  一番上へ  目次へ  後へ