京都市
続古寺巡礼その79 天龍寺
次に嵯峨野一番の巨刹である天龍寺。
足利尊氏の開基で、京都五山の第一位として栄えた。
しかし、たびたび火災に遭い、現在の建物はほとんど明治以後のものである。
そのため建物はあまり見どころがないのだが、庭園は夢窓疎石作で、なかなか見事なものである。
訪問すると、まず禅宗寺院らしい切妻造りの大きな庫裏があり、妻入りの正面の大壁を梁などで装飾しているのは定法どおりである。(写真1)
ここを紹介した資料によくこの建物の写真を用いているが、庫裏が寺を代表する景観というのは少し違和感がある。
庫裏の玄関を入ると大方丈(写真2)に続いていて、庭園を鑑賞することができる。
約700年前の作庭当時の面影をとどめていると言われ、嵐山を借景に取り入れた雄大な池泉回遊式庭園である。(写真3)(写真4)

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