京都市
続古寺巡礼その81 二尊院
本日最後の訪問は二尊院で、常寂光寺のすぐ近くにある。
開基は平安時代初期と伝えられ、以後荒廃したが鎌倉時代初期に再興された。
二尊院の名は本尊が釈迦如来と阿弥陀如来の二尊であることから来ており、これらの本尊は鎌倉時代の作で、再興時のものであろう。
総門の薬医門は伏見城の城門を移したものと言われている。(写真1)
薬医門としては珍しい3間1戸の大きくて重厚な門である。
前の常寂光寺の本堂もそうであったが、京都を始めとして全国には伏見城の遺構と言われるものが数多くある。
徳川家康が再建した伏見城は兵火に遭うこともなく家光の時代に廃城となったので、そのとき多くの建物が移築されたものと思われる。
総門を入ると紅葉の馬場と言われる参道があり、勅使門に至るまでは多くのもみじがあり、ここもたいへん緑の美しい寺だ。(写真2)
紅葉の季節はさぞ見事であろうと思われる。
本堂(写真3)と勅使門の唐門(写真4)は、応仁の乱で伽藍が全焼した後に、室町時代の永正18年(1521)に再建されたそうである。

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