京都市
続古寺巡礼その82 勧修寺
7月2日、前回に続いて京都の寺を訪問する。
最初に訪れた勧修寺は、平安時代の開基で門跡寺院として栄えたが、室町時代に兵火により焼失し、江戸時代に再興された。
寺名は正式には「かじゅうじ」で、付近の地名としては「かんしゅうじ」と読むようだ。
境内には宸殿、書院、本堂(写真1)などが建っている。
宸殿と書院は江戸時代前期に明正天皇(書院については後西天皇とも言われている。)の旧殿を下賜されたものだそうだ。
書院前庭には水戸光圀寄進と伝えられる石灯籠がある。(写真2)
笠が横に長い長方形で垂れ下がっており、脱力感があって愛らしい姿は勧修寺型灯籠として知られている。
その足元に広がる樹齢750年というハイビャクシンも見事なものである。
また、ここには氷室(ひむろ)の池を中心とする池泉回遊式庭園がある。
訪問したときは睡蓮やハンゲショウがちょうど見ごろであった。(写真3)
氷室の池の名は、平安時代にこの池に張った氷が宮中に献上され、その厚さによって豊作を占われたことによるらしい。
庭園の側には昭和初期に建てられた大斐閣という観音堂があり、比較的新しい建物ながら、なかなか瀟洒である。(写真4)

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