宇治市
続古寺巡礼その86 平等院
続いて平等院を訪問する。
小学校の修学旅行以来40数年ぶりとなるが、当時の記憶はほとんどない。
ただその頃平家物語などを好んで読んでいたので、源三位頼政が自刃した場所とされる扇の芝があったことだけは憶えている。
平等院と言えば鳳凰堂(写真1)があまりにも有名で、改めて下手な解説などは不要であり、簡単な感想だけを書いておこう。
この建物が兵火や災害をまぬがれて残ったのはほとんど奇跡であり、国宝の中でも最上級の唯一無二の存在であると言える。
同時代の皇族貴族が建立した寺院がほとんど残っていないので断言は出来ないが、左右の翼楼、尾楼など類例のないかなり特殊な建築である。
翼楼があることもあって全体に極めて優美であり、池を前にしたその姿は将に極楽浄土の世界である。
さてあまり知られていないが、もう一つぜひ紹介しておきたい建物が観音堂である。
この建物を見た瞬間、簡素ながら美しい姿にオーラを感じた。(写真2)(写真3)
現場には何の説明もされていなかったと思うが、調べてみると鎌倉時代初期の建物で、国重文であった。
鎌倉時代の建築は本当に素晴らしい。
観音堂の傍に扇の芝があった。(写真4)

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