高梁市
巨木探訪:成羽町(5)
5月27日、朝から晴れ。
動けるうちに動いておこうと、宿題として残っている新見市「上熊谷のアベマキ」を再探索することにした。
とは言っても、アベマキだけを目的に遥々と新見市まで出かけるのは億劫である。
そこで、再調査で引っかかった旧成羽町の樹を対象に腰を上げることにした。
ルートとしては成羽町から北上するコースを辿ることになるのだが、かなり山の中を走ることが想定されるので、久々に軽四の登場である。
もう何度となく走った県72→国484で高梁市を目指し、県313で成羽町に至る。

まずは成羽町下原字白谷の「成羽最上稲荷神社前のクロマツ」である。
最初は最上稲荷で検索をかけたが、これでは引っかからなかった。
しかし地図を見ているうちに白谷地区に正一位稲荷大明神を見つけた。
実際に行ってみると『最上稲荷』と書かれた赤い鳥居が立っている。
これに違いない、と思って道を入ったが、稲荷の前にクロマツはない。
もしかして枯死したのか、と思って周囲を見たが、それらしい切株もない。
さらに奥の本光寺もしくは龍泉寺にあるのか、とも思ったが、それだったら「稲荷神社前の」という呼称はつけないだろう。
ここは、まぁいいか・・・

少し先に進み右手の総門橋を渡る。
渡ったところで右手に入り、成羽中学校の隣の常楽寺を訪れた。
リストにはイチョウの巨木が挙がっている。
しかし巨木どころか、イチョウ自体が見当たらなかった。
これは残念・・・しかし代わりと言っては何だが、ここにはモッコクもある。
モッコクであるからもちろん巨木ではないのだが、樹齢500年、幹周1.8m、1974年に町指定天然記念物(現在は市指定)に指定されている

「常楽寺のモッコク」

   モッコク    モッコク
地図はこちらへ

戻って県300へと進む。
500mほどで右手の広域農道に入ると、すぐ先のカーブの横に森神社があり、ここにはケヤキとムクノキの巨木がある。
どちらも幹周は目測4mくらいだろうか、社殿の背後に仲良く並んで立っている。
ムクノキは樹冠に向かうにつれて幹が細くなっているが、根元はなかなかどっしりと力強い。
たおやかな女性のイメージ。
一方、ケヤキは根元こそ普通っぽいが、上方まで太くて逞しい幹と枝を伸ばしている。
蔓も巻付き、こちらは無骨な男性のイメージである。

「森神社のケヤキ・ムクノキ」

   ケヤキとムクノキ    ケヤキとムクノキ

           ムクノキ
地図はこちらへ

ここから県300→県85を通って成羽町吹屋まで一気に進む。
県300を通り抜けたのは初めてであるが、いや、なかなかすごい道である。
右手の崖には何ヵ所も今にも崩落しそうなところがある。
途中にトンネルが2ヶ所。
最初のトンネルの入口を見た瞬間に『うわっ!』と思ったが、意外に短いトンネルで、しかも出口の崖ではクライマーたちが登攀の練習をしていた。
その方面ではけっこう有名な所なのだろうか・・・?
また、道路の頭上に大きく岩がせり出している箇所もあり、これなどは時代劇(股旅物)のロケに使えそうである。
   トンネル    トンネル

                オーバーハング

まあ、この県300、他にも『枝の不整合』『羽山渓』『羽山デッケン』など、ゆっくりと走ればいろいろ見所もある。
おまけにサイクリングの『ヒルクライム・チャレンジロード』にもなっているようで、所々にそれを示す道標が立っており、実際に走っている人もいた。

一番上へ