井原市〜笠岡市(追記)
巨木探訪:井原市〜笠岡市(追記)
このところ樹行が途絶えがちである。
他に用事があったり、天気が悪かったりもするのだが、やはり探訪先が減ってきたことが大きな要因である。
樹行を開始した頃は、先のことまで考えていなかった。
いや、それどころか大海に乗り出す気分だったのだが、いざ航海が終わってしまうと、陸に上がった船乗りはどうしたらいいのだろう?
ま、先のことを考えてもしょうがない。

ということで、11月20日、井原市方面の追加調査に出かけた。
ルートは国486、前回の矢掛町と同じなので、井原市に着くまではたいして目につく物もない。

まずは井原市に入ってすぐの西江原町。
調査では西江原町の祇園神社にクスノキがあることになっている。
しかし祇園神社、地図にも記載されていないしネットで調べても所在不明。
西江原町にあるのは足次神社が唯一の神社なので、こちらを当たってみることにした。
しかしこれは全くの見当違いであった。

次は「岩野のアベマキ」。
資料によると『井原町から北山町に通じる岩野坂の入口』にあるらしい。
ここでまず躓いた。
『岩野』という地名がどこにあるのかがわからないのである。
いろいろ調べていて、井原町内に『岩野』というバス停を見つけた。
確かにそこから北山町に向かう道があるので、ここに間違いあるまい。

市街地に入り国313を北上する。
昭和橋を渡るとすぐに右手に井原中央病院があるのだが、岩野坂はここの裏手あたりである。
道筋を流してみたが、目につく巨木はなし。
これまた所在不明。
(帰宅してから地図を見ていて気づいたのだが、近くに岩野観音堂があった。ここが怪しいような気がするのだが、どうなのであろうか…?)

資料によると、ここから先の北山町の御子神社にムクノキがあるということなのだが、この御子神社も地図に記載がなく、ネットで調べても所在不明。
よって北山町には上らず引き返す。
この御子神社も先述の西江原町の祇園神社も、もしかして個人の所有地に祀られている祠なのかもしれない。
そうなると調査は行き詰まり、成す術はない。

市街地まで戻り、国486の交差点を直進。
300mほど先の『運動公園入口』の信号を右折し県102に入る。
100mほど先の左手道路沿いに杉ノ木荒神があるのだが(杉ノ木公民館の隣)、ここにアラカシの巨木があるとのこと。
車を止めてみると、確かにそれらしき樹の切株があった。
切株だけを見ると、ギリギリ巨木か、というサイズであるが、おそらくこれに間違いないのであろう。
とりあえず所在がわかっただけでも満足せねばなるまい。

                カヤ
地図はこちらへ


県102をそのまま南西に進む。
3kmほど先の大江公民館の横の信号を過ぎた次の角を左折。
300mほど行ったところで車を路側に停め、左手の細い道に入る。
地図ではその先に荒神社がある。
資料には「宮地荒神のカキ」と記載されており、宮地地区の荒神社はここしかないので、多分これであろうと見当をつけた次第。
しかし荒神社にはカキどころか目ぼしい樹木はまったくない。
よく見ると『平成15年7月 移転新築』の石碑があった。
ということは、もともと荒神社は別の所にあった、ということか。
元の場所がどこであったのか、知る術はない…。

復路、ハズレばかりで時間が余ってしまったので、往路で目についた『嫁いらず観音』に寄ってみた。
『嫁いらず』とはどういう意味なのか、と、ふと思ったからである。
この探訪記は神社仏閣を紹介する紀行ではないので観音様の詳細は省くが、要するに『年を取っても健康で嫁の手を煩わせない』ということで信仰されている、とのことである。
なるほど、当たり前っちゃあ当たり前の語源だよな、と納得。

さて、『運動公園入口』の信号まで戻り、右折して県34に入り笠岡市に向かう。
市境を過ぎて山陽自動車道の高架を潜り『追分』の信号を左折、県48に入る。
1kmほど先で県288に右折。
400mほど先の山陽自動車道の傍にあるのは、2009年9月19日に探訪した「諏訪神社のクスノキ」。
追加調査で判明したのだが、実はこのすぐ近くにも巨木があったのだ。

諏訪神社の駐車場に車を停め、振り返ると民家の向こうに1本の樹が聳えている。
これが「園井のエノキ」である。
民家の裏側にある池の南堤に立っているのだが、前回ここを訪れた時にはまったく気づかなかった。
これだけの樹が目に入らなかったとは…知らないということは恐ろしいことである、と、改めて思う。
エノキは推定幹周4m級、幹には蔓が繁茂しているが樹勢は良さそうである。
枝振りも整っており、樹下には小さな祠。
傍らの民家の守り神なのか、池の守り神なのか…

 エノキ エノキ
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本日の予定はこれで終了。
遠くまで来た割に収穫としては「園井のエノキ」だけであったが、こういうこともある。
ま、自己満足の世界だから…ね。

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