鏡野町
巨木探訪:〜富村(1)
これで奥津町の探訪は終ってしまった。
時刻は5時半。
せっかくここまで来たのに、このまま帰るのはちょっと惜しい。
奥津湖でも眺めて帰るか…とも思ったのだが、県56をそのまま進めば旧富村に抜けられる。
富村に入ってすぐの重定地区には数本の巨木が存在しているので行ってみるか!
詳細な地図は用意していなかったが、万能地図を頼りにレッツラ・ゴー。
余談であるが、苫田ダムができたために奥津湖の湖底に沈んでしまった久田地区には「上の原のモミ」という5m級のモミがあったそうだ。
今も水底で眠っているのであろう…。

県56は拡張されているがなかなか勾配のキツい道である。
峠を越えて富村に下りて来ると右手に形の良い樹があった。
通りすがりにみると例の白い立杭。
おっ、早くも発見、これはラッキー!
車を止めてみると樹は「重定のカヤ」であった。
後方の堂は『恵堂』というらしい。
資料によれば樹齢は600年ということで、県下のカヤの中では最古である。
今まで見てきたカヤと比べると幹がほっそりしており、枝も細くて多いように見える。
何となく女性的な印象を受けた。

               カヤ
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恵堂のすぐ手前から右手に伸びる細い道が重定集落に入る道である。
この道沿いには「行政のフジキ」(別名:重定のフジキ)と「重定のクリ」という巨木があるはずである。
軽四しか通れないような道を進んで行くと、道の出口近くの右手に「行政のフジキ」が見つかった。
幸いなことに100mほど先に高森コミュニティハウスがあったので、そこに駐車。
フジキというのはマメ科の植物であるが、あまり聞いたことのない名前である。
フジとどこが違うのか?
フジの花が咲く時期に、山裾あたりで蔓性でなく一本立ちのフジをよく見かけるが、あれもフジ?
ま、そんなことはどうでもよい。
このフジキは見ての通り2幹に分かれており、分岐部が裂けて空洞になっている。
そして、面白いことに、その裂け目から新たに若い枝が伸びている。
樹勢も意外と良さそうであるし、生命力の強さを感じさせる樹である。

                フジキ
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ちなみに「重定のクリ」は発見できず。
これは次回の宿題である。
さて、高森コミュニティハウスから村道を北に向かうと『こうもり岩』という巨岩があり、その岩の上にはケヤキの巨木が根を下ろしているらしい。
万能地図に『こうもり岩』は記載されているが、これはおおよその位置、あとは行ってみないとわからない。
もしかしたら案内板でもあるかも、と車を進めて行くと…果たして、あった、あった!
コミュニティハウスから2.5kmほど進んだ道路左手に案内表示の杭が立っていた。
そこには『こうもり岩とケヤキ』と記されている。
ふーむ、これはワンセットになっているのか。
ということは、このケヤキも結構有名ということなのだな…と一人合点。
杭の近くに車を停めて矢印の示す方向に歩を進めたところ、こうもり岩はすぐ目の前に現われた。
岩の上にはなるほど、それらしき樹が立っている。
しかし足元には夏草が茂っており、それ以上進むとマムシでも出そうである。
これまた宿題として、今回は潔く諦めることにした。

                ケヤキ
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